投資家の年齢やリスク許容度に応じて、国内外の株式や債券といった資産の組み合わせていく投資信託であるライフサイクル・ファンドの一種。最大の特徴は、年齢が若いうちは株式などへの投資比率を高めにすべきとするファイナンス理論に基づき、投資家の目標年次(例えば、退職)に向けて、当初は株式への投資比率を高めにし、徐々にその比率を引き下げていく資産配分の調整機能が備わっていること。アメリカでは1990年代後半より着実に普及を遂げ、従業員が拠出金を自ら運用しなくてはならない401(k)プラン(日本の確定拠出年金に該当)を中核に、残高は2009年9月末で2330億ドルに至っている。年齢の上昇に伴って必ずしも投資内容の配分見直しを行うとは限らない従業員や、そもそも運用に関心を持たない従業員などが実は少なくないことがターゲット・イヤー・ファンド拡大の背景にある。とくに、401(k)プランでは加入しても拠出金の投資先を指図しない従業員に対して自動的に適用されるデフォルト商品に、ターゲット・イヤー・ファンドが選ばれることが法改正などの影響もあり近年増加している。日本では一部金融サービス業者が取り扱いを始めており、今後の普及が期待される。