プライベート・エクイティ、不動産、コモディティー(商品)、インフラ、森林資源など、上場株式や債券といった伝統的な投資対象とは異なる資産や、ヘッジファンドのように、投資する対象に株式や債券が含まれるが、デリバティブなどを用いた新しい運用手法を駆使した商品のこと。一般的にリスク・リターンの源泉・属性が株式や債券とは大きく異なるオルタナティブ資産は、したがって株式や債券との相関関係が低い。株式や債券のみで構成されたポートフォリオに新たに追加されることで、高い分散効果、すなわちポートフォリオの価値変動リスクを抑制しつつ、期待できるリターンを高める効果をもたらし得るとして、年金基金など機関投資家を中心に近年、世界的に注目を集め続けている。ただし、オルタナティブ資産には流動性や換金性が乏しかったり、さらに、極めて複雑な仕組みや際立った商品特性を持ったり、といったものが少なくないことから、その投資の検討は内容や目的、影響などについて、十分かつ高度な調査・分析・理解に基づく必要がある。2008年の金融危機では、株式などと同様にパフォーマンスが悪化したヘッジファンドなどが少なくなく、その分散効果に疑問を提示する声も上がった。