日本国が発行する債券のこと。償還期限別で長期国債・中期国債・短期国債・政府短期証券がある。また、利付き国債と割引国債に大別される。2003年3月から個人のみが保有できる個人向け国債も発行された。道路や港湾などのインフラ建設の財源として発行される建設国債、また、財政赤字を補うために年度ごとに財政特例法を成立させて発行される赤字国債(特例国債、特例公債)がある。09年度予算(約102兆円)は税収の占める割合が45%と半分に満たない一方、赤字国債で29%も賄われた。日本国債の発行残高683兆円(09年末)の対GDP(国内総生産)比144%は先進国で最高水準、10年に財政危機が生じたギリシャやアイルランドをも上回る。さらに、進展する日本の少子高齢化は、社会保障費を今後毎年度1兆円以上増加させ赤字国債の一層の発行圧力となる上に、実質的に日本国債の過半(54%と試算)を保有してきた家計金融資産を貯蓄の取り崩しを通じて減少に追い込むと見込まれ、日本国債の安定消化にとって中長期的な懸念になりつつある。なお、S&Pは11年1月27日に日本国債の格付けを一段階引き下げ、それまでのAA(ダブルAフラット)からAA-(ダブルAマイナス)とした。