TOKYO AIM取引所が2010年11月に発表した、08年改正金融商品取引法で導入された「プロ向け市場制度」の活用による債券上場制度構想のこと。発行時の開示柔軟化や発行可能期間の拡大化などによりユーロMTN(ユーロ市場で発行されるMTN。MTNは社債の一種で、あらかじめ定められた発行枠の範囲内で、スキームや使用通貨などの条件が異なるものが複数発効されえる)タイプの機動的な社債発行を実現し、また、英文開示の可能化により海外企業の日本での社債発行を促すとしている。10年6月に政府が閣議決定した新成長戦略、同年12月に金融庁が発表した新成長戦略実現に向けたアクションプランで掲げられたユーロ市場と比肩するプロ向けの社債発行・流通市場の整備を受けたものとされる。また、アジア債券市場育成イニシアチブ(→「CGIF」)が域内のクロスボーダー債券取引にかかわる市場慣行を標準化し、規制を調和させるためのプラットフォームとして10年9月に設けたアジア債券市場フォーラムでも、プロ向け債券市場の設立は取り上げられていた。なお、TOKYO AIM取引所は東京証券取引所グループとロンドン証券取引所(LSE)の共同出資で09年に創設され、LSEが運営するロンドンAIMをモデルにプロ向け株式市場TOKYO AIMを運営している。