銀行セクターの外で行われる信用仲介や資金仲介のこと。MMF(欧米ではマネー・マーケット・ファンド、日本ではマネー・マネジメント・ファンド)やABCP(資産担保コマーシャル・ペーパー)、証券化や証券貸借・レポ取引などを指す。金融危機の再発防止を目的に2008年11月から金融規制強化を協議しているG20が、11年11月のカンヌ・サミットで、シャドーバンキング規制の検討方針を示した。銀行セクターへの規制だけを大幅に強化すると、規制のギャップが銀行セクター以外との間で拡大、前者から後者へ資金や信用の仲介取引、ひいてはリスク移転が拡大し、新たなシステミック・リスクになり得る懸念が背景にある。FSB(Financial Stability Board 金融安定理事会)によると、シャドーバンキングの規模は、例えば02年の27兆ドルから07年は60兆ドルにまで拡大、金融危機で一時減ったが10年には回復した。具体的な規制内容は未定だが、MMFを始め、シャドーバンキングは銀行セクターができない仲介取引を補完する役割を担っているとも考えられ、その規制強化はむしろ実体経済に悪影響を与えかねない。