2011年12月、就任後初の訪中の野田佳彦首相と中国の温家宝首相が首脳会談で、日中両国間の経済・金融関係の拡大維持のため、両国の金融市場での相互協力の強化と、両国間の金融取引の促進に合意した内容のこと。先進国では日本が初めて。具体的には、両国間のクロスボーダー取引における円・人民元の利用促進、円・人民元間の直接交換市場の発展支援、円建て・人民元建て債券市場の健全な発展支援、海外市場での円建て・人民元建て金融商品・サービスの民間部門による発展促進、「日中金融市場の発展のための合同作業部会」の設置。とくに人民元建て債券市場に関連して、東京市場を始めとする海外市場での日本企業による人民元建て債券の発行支援と、そのパイロットプログラムとしての国際協力銀行によるパンダ債発行支援、また日本当局による中国国債への投資にかかわる申請手続き推進が盛り込まれた。日本を抜き、世界2位の経済大国となった中国の人民元は今後国際化の進展が期待され、隣国日本の国際金融センターの活性化にその取り込みは不可欠であり、合意内容の早期実現が注目される。