2014年3月現在、午後3時で終了している東京証券取引所の現物株の取引時間を延長したり、夜間にも設けたりすること。東京証券取引所を傘下に置く日本取引所グループが中期経営計画で掲げた重点戦略に、新しい日本株市場の創造(日本株の魅力向上)があり、その検討項目の一つ。東京証券取引所は、世界の主要取引所の中でも最も早く取引が始まり、最も早く取引が閉まり、取引時間自体が短いと評されることもある。そのため、日本株市場の活性化のために取引時間の拡大は重要として、とくに夜間取引の導入検討に積極的で、「現物市場の取引時間拡大に向けた研究会」を設置し、14年2月から同年春までに議論する。ただし、夜間取引を導入しても、大きなニーズがあるのか、公正な価格形成に必要なだけの売買が行われるのか、とくに昼間取引の流動性供給の主役たる機関投資家による十分な参加が見込めるのか、システム開発などのコストに見合う収益が期待できるのか、といった意見も証券業界で上がっている。また、日本が、成長を続けるアジアからの資金の取り込みを重視し、国際金融センターとしての地位向上を目指す場合には、国際的な機関投資家の多くが日本株を含むアジア株の取引拠点を置くシンガポールや香港の取引時間が終わるまで日本株の取引ができることを優先すべきだとして、夜間取引の導入よりも後場(午後の取引)の取引時間の延長を検討すべきという声もある。