G-SIB(グローバルにシステム上重要な銀行)に対し、自己資本に加えて債務を対象に破綻時の損失吸収力の確保を求める新しい規制。従来はバーゼル規制の下で、金融機関に対して損失吸収に十分な水準の自己資本の確保を求めてきた。しかし、2008年の世界的な金融危機において、欧米の大手金融機関は自己資本のみで損失を十分に吸収できず、最終的に当局が金融システムの安定性を維持するために公的資金で金融機関を救済する事態となった。その反省から、損失吸収力の確保に関する規制の範囲を自己資本から債務にまで拡大することが提案され、G20サミットの議論の結果、ベイルインを含む破綻処理の実効性を確保するものとしてTLACが提案されている。TLACの最低基準や適用時期など具体的な内容は未定であるが、19年1月1日以降に導入することが各国当局の間で合意されている。そのために15年には定量的影響度調査(QIS)が実施され、同年のサミットまでに内容を確定させる予定である。