中央清算機関(CCP)で清算されない店頭デリバティブ取引を行う取引参加者に対し、証拠金を受領(あるいは受領及び提供)することを義務付ける規制である。店頭デリバティブ取引を行う一方がデフォルトした場合に、もう一方が取引契約の結果得られたはずの収益(債権)を回収できないリスクを軽減するため、あらかじめ証拠金を拠出し、万一のデフォルト時には証拠金から債権回収を行う仕組みである。変動証拠金と当初証拠金があり、前者はデリバティブの時価変動に基づき、契約上、損失の発生した側が取引相手に差し入れる。後者は、過去のデータから将来の価格変動を推計し、取引当事者が互いに差し入れる。2008年9月のリーマン・ショックに端を発する世界的な金融危機の反省から、09年のG20ピッツバーグ・サミットにおいて店頭デリバティブ取引に対する規制強化について国際的な合意がなされ、11年のG20カンヌ・サミットではCCPで清算されない店頭デリバティブ取引に対する証拠金規制の導入で合意された。16年9月から日本、アメリカ、カナダにおいて段階的適用が始まり、ヨーロッパ等の他地域でも順次適用される。