途上国などの中央銀行が為替相場や物価の安定を図るために、自国の通貨を主要国の通貨と一定の比率で無制限に交換することを約束(実質的に固定相場制を採用)し、これを担保するために、中央銀行は自国通貨発行残高に見合うかそれ以上の外貨準備を保有する制度。この制度の下では、自国通貨に対する売り圧力が強まった場合でも、自国通貨建て金融資産のうち現金部分は、いつでもドルに交換できるため、市場や投資家の信用を得やすい。また、ドル化と異なり、米ドル準備をアメリカの金融市場で運用することで、通貨発行益を受け取り得る。現在カレンシー・ボードを採用している国や地域としては、香港、ブルネイ、エストニア、リトアニア、ブルガリアなどがある。なおアルゼンチンも採用していたが、2001年末の通貨危機で維持不可能となった。