政府が出資する金融機関で、かつ資産運用による収益の拡大を目的とする投資ファンドを指す。国富ファンドともよばれる。石油や天然ガスによる収入(中東諸国やロシア)や外貨準備高(中国やシンガポール)を原資とするものなど様々である。ソブリン・ウェルス・ファンドは、民間の投資ファンドに比べて資産規模が大きく、国際金融市場への影響が大きいといわれている。金融危機で資産内容の悪化した欧米の金融機関に増資をして、世界の金融システムの下支えに貢献したと評価する意見もあるが、特定の投資銀行やヘッジファンドとの結託によって石油やレアメタルなどの資源価格バブルを演出したのではないかという疑念があるなど、その弊害を指摘する向きもある。政治的意図をもった投資を懸念する声もあり、資産内容の透明性が国際的に求められている。