経常収支の赤字と財政赤字が共存する現象をさし、マクロ経済におけるファンダメンタルズが非常に悪い状態であるとされる。1980年代、アメリカでは経常収支の赤字と財政赤字が併存しており、この現象を指摘したのが始まりである。一時、90年代後半に財政は黒字となり、双子の赤字は解消したかにみえたが、2000年代になって、イラク戦争の戦費やリーマン・ショック後の景気刺激策のために財政は赤字となり、再び双子の赤字が生じている。最近は、アメリカに限った現象ではなく、イギリスをはじめヨーロッパの多くの国が双子の赤字を抱えている。経常収支が赤字のとき、財政状況の悪化によるソブリンリスクは高まりやすいと指摘される。日本においては、財政赤字の大きさからソブリンリスクは潜在的に高いはずであるが、経常収支黒字を背景にした対外信用力の高さが、ソブリンリスクの顕在化を抑制しているとする見方もある。