量的緩和(QE ; Quantitative Easing)は、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が資産を購入し、対価としてFRBにある金融機関の当座預金残高を増加させ、結果的に市中のマネーの量を増やすことによって、景気を刺激する政策。QE3は、金融危機時の2008年秋からの量的緩和第1弾(QE1)、デフレ懸念が強まった10年秋の量的緩和第2弾QE2に続く措置。ヨーロッパ債務危機などの影響で、アメリカの景気の回復ペースが鈍り、雇用統計で労働市場の低迷が改めて裏付けられ、12年9月にFRBが連邦公開市場委員会(FOMC)で決定した。QE3では、FRBが不動産関係の住宅ローン担保証券(MBS)を追加購入し、規模は月400億ドル(約3兆1000億円)で期限や総枠は設けず、事実上のゼロ金利政策を少なくとも15年半ばまで期間延長。FRBが保有する短期国債を長期国債と入れ替えるツイスト・オペなど、これまでの緩和策も継続。QE3と同オペを合わせた毎月の長期証券の買い入れ額は850億ドル(約6.6兆円)。QE3では特に住宅購入や住宅ローン借り換えを後押しして住宅市場の回復をてこ入れするとともに、主要金利や株価に影響を及ぼし、景気にインパクトを与えることが目的。