自国の通貨を、様々な通貨を加重平均したレート(バスケット)に固定する通貨制度。バスケットをベースレートとしてレンジを持たせることも。加重平均の比率は一般的には貿易比率によって決めるが、最近では資本取引等も加味されることも。経済的つながりが強い国が複数存在する場合、特定の一通貨だけに為替相場を固定する方法は、その他の通貨との為替相場の変動が自国経済に甚大な影響を及ぼすリスクを内包。この場合、それら強い経済的つながりを持つ国々との経済関係をそれぞれ適切に反映するような通貨バスケット制を採用し、他国通貨の為替相場変動の影響を極小化。現在、バスケット通貨制度を採用している国はシンガポール、ロシア、マレーシア、中国。アジア通貨危機の反省から、ドル単独への固定相場制が問題の一つとも認識されており、対応策の一つとして通貨バスケット制が検討された。