環大西洋貿易投資パートナーシップのことで、EU(欧州連合)とアメリカの包括的自由貿易協定(FTA)。TPP(Trans-Pacific Partnership)は日本・アメリカを中心とした環太平洋地域による経済連携協定であるが、そのヨーロッパ版にあたるもの。EUとアメリカが2013年から通商交渉を開始し、TPPに先行しつつある状況。債務危機が一服するも成長政策に手詰まり感をみせるヨーロッパにとって、アメリカとのFTAがもたらす成長と雇用への期待は大きい。財政発動の余地の少ないヨーロッパにあって、成長政策としても評価は高い。また、EUとアメリカが製品規格や安全基準などのルールを共有し、世界GDPの半分を占める巨大市場で使用すれば、他国もこの「欧米ルール」で対応せざるを得なくなり、デファクト(事実上)の国際標準化がなる。また「経済版NATO」とも考える向きもある。