日本政府が東南アジア諸国連合(ASEAN、アセアン)諸国と二カ国間で締結している、ドル資金が足りなくなった時に融通しあう通貨交換協定(通貨スワップ協定)のこと。さらに、東南アジアとの金融面の結びつきを強めるため、進出した日本企業を資金面で支援する仕組みも検討中。アセアンと日中韓3カ国(アセアンプラス3)には、1997年のアジア通貨危機を教訓として、外貨不足の国を支援する多国間の協定チェンマイ・イニシアチブ(CMI ; Chiang Mai Initiative)があるが、そのCMIを補完するためのもの。多国間協定に比べ、機動的にお金を融通できるのが利点。すでに締結済みのインドネシアとフィリピンに加え、東南アジアの中で経済規模が大きいタイ、マレーシア、シンガポール3カ国と協定の締結を予定する。アセアン各国とは対照的に、中国、韓国との金融協力は領土問題の影響で停滞中。日本と韓国はすでに通貨スワップ協定を締結済みだが、約5倍に拡充した融通枠を延長せず、2012年に実質的に縮小。