東南アジア諸国連合(ASEAN、アセアン)を中心として16カ国が参加する広域の自由貿易圏。英文の頭文字をとってRCEPとも。2012年8月のアセアン拡大経済相会合で各国が枠組み作りに合意し、同年11月の東アジアサミットで各国の首脳が交渉開始を宣言した。参加国はアセアン10カ国(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス)に加えて日本、中国、韓国の3カ国、オーストラリア、ニュージーランド、インド。15年までの交渉妥結をめざし、14年3月までに3回の交渉会合を開催。RCEPが実現すれば、経済規模や人口で世界最大級の経済連携協定になる。日本ではRCEPと環太平洋経済連携協定(TPP)を合わせたアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP ; Free Trade Area of the Asia-Pacific)の実現が目標。RCEPは関税の撤廃だけでなく、サービス分野の規制緩和や投資ルールの緩和なども交渉対象。日本にとっては「世界の成長エンジン」と位置付ける東南アジア経済で、小売りやサービス分野の進出を促進。しかし、規制緩和に慎重な中国のほか、ラオスやミャンマーなどの低所得国も参加していることから、TPPより緩い経済連携になる可能性もある。