期間の定めのある労働契約(有期労働契約)を使用者が更新しないことをいう。更新手続きがとられない限り、有期契約は期間満了により自動的に終了するので、雇い止めは解雇には当たらない。ただし判例は、(1)労働契約が期間の満了ごとに当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態にある場合や、(2)仕事の内容が臨時的なものではなく、反復更新を重ね、雇用関係がある程度継続することに合理的な期待が認められる場合には、雇い止めにも解雇権濫用法理を類推して適用する判例法理が確立している。なお、雇い止めをめぐる紛争を未然に防止するため、更新の有無やその判断基準の明示、雇い止めの予告などに関する基準が現在大臣告示として定められているが、2012年には、労働契約を締結する際に更新に関する判断基準を書面により明示することを省令で義務づけるとともに、上記の判例法理についても、これを法律で明文化することを内容とする法令改正(労働基準法施行規則および労働契約法の改正)が行われた。