日本の企業には、固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、女性が営業職にはほとんど配置されていないとか、男性が課長以上の管理職の大半を占めているといった状況が現在なお少なからず見られる。このような男女間に存在する格差の解消を目指して個々の企業が進める自主的かつ積極的な取り組みのことをポジティブ・アクションという。例えば、「3年間で女性管理職を20%増やす」という目標を掲げ、女性の管理職候補者を対象とする研修を実施する等の取り組みを行っていくことなどがその典型。なお、男女雇用機会均等法(8条)も、性別を理由とする差別の禁止規定は「事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない」と定めている。