労使間の意思疎通を図ることを目的とした、日本の労使関係を代表するともいえる制度。大企業を中心に、労使関係が成熟する過程で、団体交渉とは別に著しい発達をみた。常用労働者30人以上の民営事業所を対象とした、2009年の厚生労働省「労使コミュニケーション調査」によれば、規模5000人以上の大企業の74.7%、全体では39.6%が「事業所又は企業における生産、経営などに関する諸問題につき労働者ないし労働組合の意思を反映させるため、それらに対して使用者と労働者の代表とが協議する常設的機関」である労使協議機関があると回答している。また、こうした労使協議機関の付議事項には、賃金・一時金や、労働時間・休日・休暇といった団体交渉の対象事項ともなりうる労働条件から、生産・販売等の基本計画や、経営の基本方針といった経営サイドの問題にいたるまで広範囲に及ぶ事項が含まれており、労使協議制は実際にも団体交渉に代わるか、あるいはそれを超えた機能を果たしているといってよい。