定期的に(通常は毎年1回)実施される昇給。公務員の俸給表(給料表)における号俸のアップはその典型。賃金を増額するために賃金表そのものが書き換えられるベースアップ(ベア)とは異なり、従業員の年齢構成が変わらなければ、賃金カーブを描くグラフに表される面積は等しくなるので、人件費の増加をもたらさない。このことから、景気の低迷が続いている状況においても、定期昇給(労働組合のいう賃金構造)は維持されることが多い。ただし、経営側には、定期昇給の延期・凍結を求める声も強い。労働基準法は、昇給に関する事項を就業規則の絶対的必要記載事項として規定し、パートタイム労働法は、パートタイム労働者の雇い入れの際に、昇給の有無を退職手当や賞与の有無と合わせて、文書で明示することを事業主に義務づけているが、ここにいう昇給も、一般に定期昇給のことを指すものと考えられる。