15~24歳の若年層の失業率は、全年齢層でみた失業率の2倍前後に達する。こうした傾向は世界的にみられる。たとえば、2012年12月現在、欧州連合(EU)に加盟する27カ国の失業率は全体で10.7%、25歳未満で23.4%である。日本も例外ではなく、12年12月には全体の4.2%に対して若年の7.1%とその差がやや縮小したものの、同年4月には4.6%対9.2%と2倍の開きがあった(いずれも季節調整値)。全体の雇用量を一定とすれば、高齢者の雇用機会を確保しようとすればするほど、若年層の雇用機会は失われることになる(→「改正高年齢者雇用安定法」)。若年層の雇用機会が確保されなければ、年金制度を維持できないという問題もある。このトレード・オフの関係(あちらを立てればこちらが立たずという関係)をどうするかという難しい問題に、わが国は直面している。