労働時間規制の適用除外を目的とした制度の一種。正式名を特定高度専門業務・成果型労働制という。従来、ホワイトカラーについては、労働時間規制の適用除外対象は管理監督者に限定されていた。そうした適用除外の対象を、高度の専門的知識が必要なディーラーやアナリスト、研究開発者などに拡大し、これまで管理監督者にも認められていなかった深夜労働に対する規制(割増賃金の支払い義務)の適用除外についても、これを認めることを内容とする。他方、管理監督者に対する適用除外とは異なり、新たな制度の下では年収が1075万円以上あることのほか、対象労働者の健康確保のために使用者が健康管理時間を把握する措置を講じ、1年間を通じて104日以上かつ4週間を通じて4日以上の休日を確保することが必須となる。また、その導入にあたっては、労使委員会の決議や個別同意も必要とされる。アメリカのホワイトカラー・イグゼンプション制度と比較されることも多いが、年収要件(バラク・オバマ前大統領はこれを5万ドル近くまで引き上げようとしたが、実施には至っていない)など、大きな違いもある。