厚生労働省が提示する就業規則のひな形。常時10人以上の労働者を使用する使用者は、労働基準法に基づいて定められる就業規則の作成義務がある。厚生労働省は、その作成ないし変更にあたって参考になる就業規則例を、モデル就業規則として同省のウェブサイトで公表している。具体的な規則例にとどまらず、法令との関係で留意すべき事項についても詳細な説明があり、有用である。ただ、解雇の条件を「勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき」や「勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき」などに限定するなど、実務に支障をきたす(この場合には、解雇が必要以上に難しくなる)規定も含まれており、モデル就業規則をそのままコピーすれば済むと言える状況にはない。なお、2018年1月末には妊娠・出産や育児休業・介護休業などに関するハラスメントの禁止について定めた規定が新設されたほか、副業・兼業を禁止(→「副業・兼業規制」)の対象からこれを認める方向へと転換するなどの改正が行われた。