胡錦濤政権が力を入れる、大型国有企業が集積する中国東北地区(遼寧、吉林、黒竜江3省)の振興。同地域は資源供給基地、食糧生産基地、重工業基地として計画経済下では優位を誇ったが、市場経済に取り残されて地盤沈下した。東北振興戦略は、重点業種の改革と調整、国有企業改革、装置産業の振興、農業近代化、石炭などの採掘で成り立つ資源型都市の配置転換、インフラ整備、と多岐にわたる。遼寧省では、第11次5カ年計画の重点事業として、五点一線政策が打ち出された。五点は、同省の営口、錦州、長興島、庄河、丹東の五つの沿海重点開発区構想、一線はこの5地区をつなぐ全長1443kmの海浜道路構想。これにより沿海部一帯に都市が広がり、さらに内陸へと発展を波及させる戦略である。