高度経済成長を続ける沿海部に対し、開発が遅れる内陸部の発展を図る政策。第10次5カ年計画(2001~05年)の地域政策の目玉として、中国は西部地域で60の重点プロジェクトを新たに開始した。5年間の中央財政からの資金投入は1兆6100億元におよび、西部の天然ガスを東部に送る西気東輸、西部の電気を東部に送る西電東送、青海‐チベット鉄道(青蔵鉄道)、水利ステーション、交通幹線、空港建設などの整備が進められた。しかし、なお、インフラ整備は十分ではなく、発展の障害は多い。中国の最重要課題とされる経済問題は所得格差と三農問題(農民、農業、農村)だが、中央政府の支援にも、農業税の廃止、食糧栽培農家に対する直接補助金など三つの補助金政策の整備、農村社会事業の発展を全面的に促進するため義務教育、文化、衛生などの強化、とともに西部地区の技術革新と人材開発支援が含まれる。第11次5カ年計画においても、西部大開発の推進が強調されている。