経済発展から取り残された西部地域を成長させるために、2000年に始められた国家戦略。その発展は遅かったが、中国沿海部が転換点を迎えて08年から西部への投資が急増し、自律的な軌道に乗った。アメリカのデル、台湾のエイサーなどが進出し、IT(情報通信)産業基地を形成している。10年には国務院が西部大開発について、社会建設の加速、三農事業、インフラ整備、持続可能な発展、優位産業の発展、重点区域の強化、震災復興の七つの措置を打ち出した。内陸部の成都、重慶、西安を中心とした成長軸の形成が期待されているが、このうち成都は、内陸部における自動車産業のけん引役を期待されている。武漢では東風日産、東風ホンダ、PSAプジョー・シトロエンの合弁、東風の自主ブランド車風神などが立地し、自動車産業が集積している。また、安徽省では産業移転の受け皿として産業移転パイロット区の事業が進められている。