中国の第12次5カ年計画(2011年~15年)で打ち出された産業政策。7分野を戦略性振興産業(戦略的振興産業)に指定し、財政資金の集中投入などによって、新たな中国経済のけん引役とする。指定された産業は、(1)省エネ・環境保護産業、(2)次世代情報産業、(3)バイオテクノロジー産業、(4)ハイエンド装備製造産業、(5)新エネルギー産業、(6)新素材産業、(7)新エネルギー自動車産業。これまでの中国経済を支えた大量の労働力とエネルギーを投入する産業では持続的発展は困難であり、深刻化する環境汚染を背景に、資源・エネルギーの消費が低く、クリーンで雇用拡大が図れ、利益率が高い産業の育成が不可欠との認識から、これらの産業が選定された。また、アメリカのグリーンニューディール、日本の新成長戦略など、先進国の新産業政策への対抗の意味をもつともされる。(1)~(4)は支柱産業、(5)~(7)は先導産業と位置づけられ、これら産業のGDP(国内総生産)比率を現在の3%以下から15年に8%、20年に15%まで高め、今後20年間をかけて全体的なイノベーション能力と専業発展レベルを世界トップに高める、との目標も掲げられている。その実現にむけて、政府は外資系企業からの技術導入にも大きな期待をかけている。