CDなどのパッケージ・メディアを中心に販売されてきた音楽コンテンツを、インターネットのプラットフォームを通じて有料配信するビジネス。デジタル音楽ダウンロード・サービスとも称される。パソコン、コンビニエンスストアなどの店頭端末、携帯電話などを経由して、MP3、AACなどの方式で圧縮された楽曲ファイルをダウンロードし、再生ソフトを利用してパソコン上で、また携帯デジタル音楽プレーヤーでも楽しむことができる。ファイル交換ソフトを利用した違法ダウンロードの横行で収益機会を損ねられた音楽業界と、コピー利用の制約を受けず自由に楽しみたい消費者ニーズのギャップを、2003年4月にアップルコンピュータ(現アップル)が、「iTMS」(iTunes Music Store アイチューンズ・ミュージックストア)の革新的ビジネスモデルで解消した(現iTS アイチューンズ・ストア)。1曲99セント、アルバム9ドル99セントの求めやすい価格設定(仕入れ価格は67~82セント)が、携帯デジタル音楽プレーヤー「iPod」(アイポッド)の人気と相乗して08年6月までに50億曲以上を売り上げ、配信楽曲数も800万曲を突破している。05年8月には、待望のiTMS日本版が1曲150~200円、100万曲(全体の9割が150円)のラインアップで登場し、当初4日間で100万曲以上を売り上げた。07年5月からは、音楽事業者世界3位のEMIグループ(イギリス)の楽曲30万曲を、複製防止用のDRM技術(Digital Rights Management デジタル著作権管理)を外して販売。同年9月に参入したアマゾンの「アマゾン・MP3」でも、DRMなしの楽曲が取り扱われる。