LED(発光ダイオード)は、電圧を加えると発光する半導体素子。赤色、緑色に続き、1993年に難関の青色LEDが実用化されて光の三原色がそろい、混色による白色光の出力が可能になったことから、96年に白色LEDが製品化された。青色LEDとともに徳島県の日亜化学工業が世界で初めて商品化し、市場をリードしている。低消費電力で、3万~4万時間と長寿命の半面、発光効率の低さから、現在は携帯電話やデジタルカメラの液晶表示装置用バックライト光源に普及している。他方、発光効率を高める開発競争が激化する中で、今後は、年間1億4000万個以上、約1兆円の市場規模を持つ自動車用ヘッドランプや、パソコンモニター、液晶テレビ、一般照明機器向けの大規模な需要に期待が寄せられる。日亜化学、シチズン電子、豊田合成、アメリカのクリーの寡占市場に韓国や台湾のメーカーも参入し、車載ヘッドランプでは、07年にトヨタ自動車の最高級車種「レクサス」に世界で初めて搭載された。