バイオテクノロジー(生物工学)を利用し、医療、食糧、環境などの分野で有用物質の研究開発、生産に携わる産業。技術の適応分野から医薬品など製品を作るホワイトバイオ、植物工場や砂漠緑化を担うグリーンバイオ、廃棄物など有害物質を分解するイエローバイオの呼称もある。医薬品製造分野では、遺伝子研究の最先端で、ヒトゲノム(人の全遺伝情報)の解読(2000年)を踏まえて、遺伝子機能を新薬開発につなげる領域に向かっている。農業や化学工業分野でも、近い将来、食料増産や化学合成プロセスの省エネルギー化に期待が持たれている。アメリカでは、遺伝子組み換え農産物の商業化が1996年に認可され、大豆やトウモロコシの新種が登場している。ナノテクノロジーとの融合分野ナノバイオや、微生物や植物を利用した環境汚染物質除去技術のバイオレメディエーション、たんぱく質解析手法であるコンビナトリアル・バイオエンジニアリング、植物に有用な物質を作り出させる分子農業なども注目されている。