国際民間航空条約(シカゴ条約、1944年採択)に基づく二国間航空協定で定められる、路線開設(以遠権を含む)、カボタージュ(国内線乗り入れ)、空港発着枠、便数、航空会社設立などの規制を開放する、空輸市場の自由化。アメリカは消費者の利益を重視し、78年に航空規制緩和法を制定以来、自由化政策を進めており、二国間協定の交渉や再交渉を通じてオープンスカイ協定を結んでいる。欧州連合(EU)でも97年に域内完全自由化が実現し、2007年に締結されたアメリカ・EU間(国際航空市場の6割を占める)のオープンスカイ協定が08年3月に発効。韓国の仁川や中国の上海・浦東などに国際空港インフラの競争力で後れを取る日本は、07年5月の政府の「アジア・ゲートウェイ構想」の中で、羽田空港の国際線供用化(07年9月29日から羽田~上海定期便運航開始)など、「アジア・オープンスカイ」の推進による航空政策の転換を打ち出している。10年10月には日米政府間でオープンスカイ協定(日米オープンスカイ協定、日米航空自由化協定)が締結された。