安倍晋三政権下で2007年に打ち出された、「日本が魅力ある国となるために必要な政策を実現するための」構想。この構想を具体化するために、06年11月に戦略会議が設置された。構想では、交通インフラ、文化、金融、地域、リーダーシップの五つの側面から、10項目の最重要課題が掲げられている。交通インフラに関しては、「アジアのどこからでもスムーズにアクセスできる国」になるために、「従来型の硬直的な二国間協定を基軸とする航空政策」から「アジア域内の航空市場自由化を主導的・計画的に進める」(「アジア・オープンスカイ」)へ航空政策を転換すること、また、羽田空港(東京国際空港)の更なる国際化の推進、大都市圏国際空港の24時間化を目指すとしている。羽田空港では、すでに国際チャーター便などが多く就航しており、定期便化も進みつつあるが、今後は成田空港(成田国際空港)との役割分担(→「内際分離」)についてより強力に見直していかなければ、こうした方向性に対応できない。また、羽田、成田両空港の拡張が行われているものの、依然として首都圏空港の発着枠が限られているため、構想でうたわれているような自由化の推進はなかなか進んでいない。