日本の食事は、コメを主食として畜産物、水産物、野菜、果実など多様な副食品を摂取することによって、供給熱量に占めるPFC比率(たんぱく質[protein]、脂質[fat]、炭水化物[carbohydrate]の割合)のバランスが適正に保たれており、脂質をとり過ぎる欧米で注目の度合いを高めている。日本型食生活を最初に問題にしたのは、1980年10月の農政審議会答申であった。コメの消費が少しずつ減少するなか、食料自給力維持と栄養の観点から日本型食生活の定着を推奨した。しかし、輸入農畜産物の急増や食生活の多様化などにより、近年大都市部や若年層では欧米型の食事や脂質の多い食事をとる機会が増え、PFC比率のバランスも崩れつつある。こうしたことを背景に、2000年3月には、農水省・厚生省・文部省(当時)が、健康づくりのための新しい日本型食生活の普及・定着を目指した10項目から成る「食生活指針」を提示している。05年6月には、食事のバランスを考えて、適正な食事の摂取量をわかりやすく示したフードガイド「食事バランスガイド」が策定された。