食料価格高騰による問題が深刻になる状況を受けて、2008年6月3~5日、イタリアのローマにおいて国連食糧農業機関(FAO)主催により開催された世界の食料安全保障に関するハイレベル会合のこと。会合のサブタイトルともなった「気候変動とバイオエネルギーがもたらす課題(Challenges of Climeate Change and Bioenergy)」が議論された。気候変動に大きな影響を与える地球温暖化防止の一手段としてのバイオ燃料(→「バイオエタノール」)が注目され、このため食糧がその生産に大量に転用されて食糧・食品価格が高騰した。輸出国は自国のインフレを防止するため食糧の輸出禁止・規制を実施し、途上国等の輸入国では食糧・食品価格の高騰と食糧暴動を引き起こし、食料をめぐる世界的な混乱が生じていた。なお、「輸出禁止・規制」はWTO農業協定第12条においてこれを認めており、輸入国にとっては注意を要する。会合の宣言も、食糧援助や食料増産の支援、輸出の禁止や規制の最小化などを採択したにとどまった。日本は食料増産支援5000万ドル、保有輸入米30万t以上の放出を表明。同年7月7~9日に開催されたG8北海道洞爺湖サミットにおいても、「世界の食料安全保障に関するG8首脳声明」が出された。