2008年の食料価格の高騰を背景に、09年4月18~20日にイタリアのチソン・ディ・バルマリーノにG8メンバー国(EU議長国含む)の農業大臣が集まり、世界の農業と食料安全保障に関する議論を行った会合。G8による農相会合は初。ほかに農業大国である8カ国(ブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカ、アルゼンチン、オーストラリア、エジプト)の農業大臣およびFAO(国際連合食糧農業機関)や世界銀行等の国際機関の代表等が出席した。会合では、世界の人々の生活に及ぼす食料危機の悪影響を確認し、そのため農業と食料安全保障を国際的課題の核心と位置づけ、食料不安の解消と貧困の削減に向けた短・中期および長期的な諸措置が必要であるとした。共同宣言では、持続可能な農業の発展および生産増大と生産性向上には農業投資、農業政策と戦略、国際貿易が重要であること、とりわけ発展途上国や移行経済国での農業(特に小規模家族農業)と農業関連産業および農村開発に対する投資増大への支援が急務であることが指摘された。また、気候変動への対応、投機の影響を含めた商品市場における価格不安定化要因の分析、第二世代バイオ燃料の開発と商業化、グローバル・パートナーシップへの期待、国際的な食料在庫管理システム構築に向けての検討など、多岐にわたる事項が盛り込まれた。