高齢者がこれまでの経験・知識・技術を生かし、生きがいをもって農業に関する活動を行ったり、知的・精神的に障害のある人が農業分野で就労したりするように、農業と福祉が連携する取り組みのこと。農作業を通じて心身のケアが図られる効果や農産物を通じて生産・加工・販売などの就労機会がもたらされる効果など、福祉分野において農業が活用され始めている。これら福祉分野との連携を通じて、後継者不足や耕作放棄地の拡大に悩む日本農業の課題解決の一助として機能することが期待されている。東日本大震災の仮設住宅入居者などが、農作業を通じて心身のリフレッシュを図るとともに、新たなコミュニティーを育んできた事例もあり、防災・復興の視点からも農業が果たす役割は広がりつつある。ただし、農業分野側における高齢者・障害者を受け入れることへの不安と理解不足や、障害者による農作業が下請け程度の形態にとどまり、就労機会として十分ではない、などの課題も指摘されている。