過疎と過密の解消を目的に、新幹線、高速道路、港湾などの社会資本インフラの整備を中心とした公共投資総合計画。国土総合開発法に基づき、池田勇人内閣の地域間の均衡ある発展を目標にした1962年の拠点開発構想、佐藤栄作内閣の豊かな環境の創造を意図した大規模プロジェクト構想(69年)、福田赳夫内閣の人間居住の総合的環境の整備を目標にする定住構想(77年)、中曽根康弘内閣の交流ネットワーク構想を意図した多極分散型国土の形成(87年)、そして橋本龍太郎内閣での参加と連帯の多軸型国土構造形成の基礎作り(98年)と5次にわたる(全国総合開発計画[全総])。高度経済成長を支える中央主導、官僚主導の制度、計画としての機能を発揮してきたが、新幹線も高速道路も整備され、逆に地域格差が進行して過疎問題が深刻になる中、総合開発計画への国民の関心も徐々に薄れ、その重要性、機能が見えにくくなった。人口減少、少子高齢化など、経済社会や国際情勢が転換する中で、国土総合開発法は、新たな時代の要請に対応するために、国土形成計画法(→「国土形成計画」)に改正された。