建築物の壁、柱、床などの構造で、火災に対する性能が、建築基準法で定めたそれぞれの基準を満たす構造をいう。耐火構造と準耐火構造は、通常の火災時に、政令で定める一定時間のあいだ、(1)主要構造部に構造上有害な変形等が生じない、(2)壁・床の加熱面以外の屋内面の温度が可燃物の燃焼温度まで上昇しない、(3)外壁・屋根に火炎を通すような亀裂等が生じない構造とされている。政令で定める一定時間は、建築物の部分や階数によって異なるが、耐火構造では最大3時間、準耐火構造では最大45分間となっている。一般に鉄筋コンクリート造、れんが造などが耐火構造に該当する。防火構造は、周囲で発生する通常の火災時に、30分間のあいだ、耐力壁である外壁に構造上有害な変形等が生じない、外壁および軒裏の加熱面以外の屋内面の温度が可燃物の燃焼温度まで上昇しない構造で、鉄網モルタル塗り、しっくい塗りなどが該当する。都市計画で防火地域や準防火地域に指定されている地域で、一定条件に当てはまる建築物は、主要構造部が耐火構造、準耐火構造(または同等の構造)で、外壁開口部の延焼のおそれのある部分に一定性能以上の防火戸などの防火設備を有する耐火建築物、または準耐火建築物としなければならない。