不動産市場とは不動産の取引に関する市場全般を言うが、取引の対象が権利かサービスかによって、不動産売買市場、不動産賃貸市場に区分される。1990年代以降、バブルが崩壊して低迷した不動産市場は、不動産証券化が成立。J-REIT(日本版不動産投資信託)が上場された2001年9月から、ファンド(J-REITおよび私募ファンド)を通じて資金が不動産市場に流入し、不動産市場が活性化した。特に05年ころから大都市の都心地域でファンドバブルが発生した。しかし、08年にサブプライムローンに端を発した未曾有(みぞう)の金融危機が発生し、J-REIT、私募ファンドなどを通じた不動産市場への資金の流入(需要)の激減によって、不動産市場は低迷した。09年後半から世界経済は回復基調となったが、日本での回復速度は緩慢であり、不動産市場が活性化するまでには至っていない。マンション市場は若干回復基調が見てとれるが、オフィス市場は依然として低迷し、東証REIT指数も07年5月2612.98から08年10月に704.46まで3分の1以下に下落したが、11年2月4日現在1107.27までしか回復していない。