投資家の保護と、複数の投資家の出資金を運営会社(不動産会社)が不動産事業で運営する不動産特定事業の健全な発展のために、1995年4月に施行された法律。法により定められている不動産特定共同事業契約には「任意組合型契約」「匿名組合型契約」「賃貸型契約」「外国法令に基づく契約」等がある。近年供給されている商品はほとんど「匿名組合型契約」である。匿名組合型契約は、投資家が匿名組合に出資し、匿名組合の営業者である不動産事業者が出資金により不動産を取得して運営して、投資家にその運用収益を配当するものである。法の制定前、匿名組合型契約は認められておらず、任意組合型が中心であった。任意組合型は、投資家が任意組合に出資し、組合員でもある営業者が共同事業の執行を委託されて運営し、運用収益を分配するものである。匿名組合型の導入は不動産特定共同事業の発展に寄与するものであった。不動産特定共同事業法は施行後、数回改正され、事業契約前の説明事項の追加など投資者保護が強化された。また、最低出資単位規制の廃止(2001年7月)などにより、不動産特定共同事業は、資産流動化法、投信法に基づく不動産証券化とともに、不動産証券化の一手法として発展している。