護岸や埋立地等の地盤改良工事で、連続した砂柱を土中に造成して軟弱な地盤の水分を抜き、圧密促進を図ることで地盤の強度を増加させる工法である。直径40~50センチメートルの多数の砂の杭(くい)を打ち込み、浸透圧の原理で、地盤の中に含まれた水分を吐き出させて地盤を強化させるしくみ。土質が軟弱な粘性土や有機質土の場合に限られ、砂質土では適用できない。地盤中に人工のドレーン材(水を吸い上げるための透水剤)を垂直に設置して、過剰間隙水の排水距離を短縮することにより圧密を促進する、バーチカルドレーン工法の中で最も代表的な工法である。施工手順は、陸上ではバイブロハンマー等の大型施工機を用いてケーシング(筒状の内枠)を所定位置にセットし、油圧ローラーで設計深度まで貫入する。貫入後にケーシングを引き抜きながら先端より砂等の透水材を排出、地上まで届く砂柱を土中に造成して完了となる。建設予定地に、建築物と同じかそれ以上の重さの土を盛って地盤の圧密度を高める「載荷盛土工法」と併用されることが多い。海上では専用の砂杭打設船を用いて施工される。工事費が安価で、施工効率が良いが、振動・騒音が大きいのが欠点とされる。神奈川県横浜市の「みなとみらい21」地区の埋め立て後の地盤改良工事にも採用され、東日本大震災でも液状化が起きなかった。