ブロードバンドを通じて、動画データを契約先にIP(インターネットプロトコル)パケット方式で配信するサービスのこと。海外映画、アニメ、音楽、スポーツ、ニュースなどの番組を視聴できる。2002年の電気通信役務利用放送法施行を受けて、03年にサービスが始まり、ビー・ビー・ケーブル(BBTV)、ぷららネットワークス(4th Media)、オン・デマンド・ティービー(オンデマンドTV)、KDDI(MOVIE SPLASH 旧光プラス)の4事業者が放送を提供している。普及の課題は、(1)著作権処理の煩雑さ、(2)現時点では視聴者数が少なく市場性が低いため、コンテンツ事業者がIPマルチキャスト放送への配信に積極的でないこと、が挙げられる。2006年に著作権法が改正され、区域内の同時再送信に限り、著作権処理がケーブルテレビ並みに容易になった。しかし、その区域の放送局が同じ時間に放送していない番組の配信や、VOD(ビデオ・オン・デマンド)方式による配信については、従来通り権利処理が難しく、今後の課題となっている。