個人のパソコンに記録されたファイルのうち、公開可能なファイルのリストをP2Pで構築されたネットワークに存在するほかのウィニー利用者と共有し、リクエストがあればそのファイルを他者へ送信するソフトウエア。ナップスターなどのファイル交換ソフト利用者が逮捕される事件の発生を受けて、ファイル交換の匿名性と効率性の両立を可能にするソフトとして、2ちゃんねるの掲示板を通じて開発された。開発者の金子勇元東京大学助手は著作権法違反幇助の疑いで京都地裁に起訴され、1審で罰金150万円の有罪判決が、2審の大阪高裁では無罪判決が出された。2011年12月の最高裁判決では2審判決を支持、最終的に無罪が確定した。Winnyのようなファイル共有ソフトでは、共有リストに掲載された自分のパソコンに蓄積されているファイルの送信を禁止できないという性質を持っている。これを利用して、ファイル共有ソフトがインストールされているパソコンに記録されたデータを無断で共有リストに含めるウイルスソフトが登場しており、情報漏えい事件が頻発している。これまで、企業の顧客名簿を含む個人情報、警察の捜査資料や自衛隊の防衛機密などが、インターネット上に流出している。