従来の電話ネットワークから次世代ネットワークのIP(インターネットプロトコル 通信規約の一つ)ネットワークを利用した電話への移行が進展するなかで、増加するIP系サービスの通信障害の一つ。IPネットワークによる通信障害の特徴として、事故が大規模になること、復旧するのに時間がかかることがあげられる。複数の事業者が通信障害を起こしている。2007年5月には、NTTグループのIP電話が、07年までで最大規模のものも含め、3度にわたって通信障害を起こした。障害の原因は、作業員のコマンド(キーボード入力でコンピューターに命令を与えること)打ち間違え、ルーターの故障にともなうパッケージ交換に起因、ソフトウエアの不具合と、人為的な要因も含めてさまざまあり、一連の通信障害によって、IPネットワークの脆弱(ぜいじゃく)さが明るみにでた。IP電話はまだ普及段階であり、従来のネットワークと比べ技術の蓄積も不十分なため、今後も問題が発生することが懸念されている。