ネットワークを通じて外部からコンピューターを操作することを目的としたプログラムで、コンピューター・ウイルスの一種。外部からのコマンド(命令)を受け、スパムメール(→「迷惑メール」)やフィッシングメール(→「フィッシング詐欺」)の送信、DDoS攻撃(→「コンピューター・ウイルス」)、脆弱性攻撃などを行う。ボットに感染してもコンピューターの所有者は通常通りの利用ができるため、感染に気付かないことが多く、知らないうちに踏み台(不正アクセスや迷惑メール配信の中継点)として利用され、犯罪行為や迷惑行為の加害者になってしまうという特徴がある。ボットに感染したコンピューター群と、指令などを行うサーバーとで構成されるネットワークはボットネットとよばれ、近年はボットネットの犯罪目的での販売や貸し出しなどの商用化も問題となっている。経済産業省、総務省は、ボット対策のポータルサイト、サイバークリーンセンター(CCC)を2006年12月に開設し、ハニーポット(ウイルスなどをわざとおびき寄せるためのサーバーやネットワーク)を設置して、ボットの検体を収集・分析するとともに、ボットに関する啓発活動や感染者への駆除ツールの提供などの活動を行っている。