家庭内のエネルギー管理システムのこと。ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの略称で、家庭向けエネルギー管理システムなどと呼ばれることもある。センサー技術などのIT技術を活用して家庭で省エネを実現するためのシステムで、スマートハウス(家庭のエネルギー消費を抑えるために、エネルギー消費を一元的に管理する住宅)を実現するための技術の一つ。家庭内の主なエネルギー消費機器であるエアコン、冷蔵庫、テレビなどを通信ネットワークでつなぎ、機器ごとの使用状況を生活者がモニターできる(電力の見える化)。また、電力消費を自動的に制御することにより、節電を図ることもできる。HEMSの市場確立と普及を狙いに、2011年7月にはHEMSアライアンスがKDDI、シャープ、ダイキン、東京電力など10社により設立された。HEMS導入に際し、政府は12年4月から補助金支給を開始し、環境共創イニシアチブが補助対象機器を公表している。13年1月時点で対象機器数は27社79製品。太陽光発電システムや蓄電池と連携する機能を備える高機能なものや、光回線の付加サービスとして機能を限定して安価で利用できるサービスなどが登場した。