製品やサービスを消費したり所有したりすることによって、顧客が受けとる便益のこと。この便益によって、顧客は自らが抱える問題を解決したり欲求を充足したりできる。例えば自動車を考えてみよう。自動車は、目的地に移動したいという問題を解決するだけではなく、自己イメージを実現したいという欲求を充足してくれる。ベネフィットは製品の中核部分であるため、製品は便益の束(bundle of benefits)と呼ばれることが多い。性能や品質など製品の基盤部分に結びついた機能的ベネフィット、デザインなど製品やサービスの周辺部分に結びついた感情的ベネフィットの二つに大別できる。機能的ベネフィットは顧客の理性に働きかけ、感情的ベネフィットは顧客の感性に働きかける。コモディティー化が進み機能的ベネフィットの水準が高まってきたことにより、感情的ベネフィットへの注目が高まっている。