近年のマーケティング革新を表した言葉。各社が提供する製品やサービスの品質水準は高度化し、コモディティー化も進んでいる。経済危機や資源枯渇などの社会的問題もクローズアップされるようになっている。もちろんソーシャル・メディアの発展も無視できない。こうした環境の変化に対応して、伝統的マーケティングを補完するのがマーケティング3.0である。ノースウェスタン大学教授のフィリップ・コトラー、インドネシアの気鋭のマーケター、ヘルマワン・カルタジャとイワン・セティアワンによる著書のタイトルにもなっている。マーケティング3.0の骨子は、「協働マーケティング」「文化マーケティング」「スピリチュアル・マーケティング」の3つ。協働マーケティングでは、製品開発やコミュニケーションにおいて顧客や他社の協力を重視する。文化マーケティングでは、グローバル化によって引き起こされる消費者行動の変化に対応する。そして、スピリチュアル・マーケティングでは、単に人々のニーズを満たすだけでなく、精神を感動させる経験やビジネスモデルを提案し、精神的便益の提供を実現する。先進的な企業のいくつかは、既にマーケティング3.0のステージに移行しつつある。