消費者による知名度や態度水準によって、ある製品カテゴリーに含まれるブランドを類型化しようとする枠組み。それぞれの製品カテゴリーには、私たちが手に入れることのできるブランドの集合、つまり「入手可能集合」がある。それらのブランドは、名前すら知らない「非知名集合」と名前を知っている「知名集合」に分けることができる。さらに知名集合は単に名前のみを知っている「非処理集合」と名前だけではなくブランドの特徴まで知っている「処理集合」に分かれる。そして処理集合は、購入したいと考える「想起集合」、購入したいとは思わない「拒否集合」、何らかの理由で購入を思いとどまっている「保留集合」の三つに類型化される。
例えば、スニーカーという製品カテゴリー(入手可能集合)で考えてみよう。ある消費者がナイキ、アディダス、コンバース、プーマ、ニューバランスという五つのブランドを知っているとする。この消費者にとって、これら5ブランドが「知名集合」で、その他のブランドは「非知名集合」となる。このうち、ニューバランスはよく知らないとしたら「非処理集合」であり、残りの4ブランドが「処理集合」である。中でもナイキやアディダスは購入したいと考えているのであれば「想起集合」、プーマやコンバースは自分が気に入っていても、価格が高すぎるなどの理由で購入を思いとどまっていたとしたら「保留集合」、もしくは明らかに購入を避けたい理由があるのなら「拒否集合」となる。企業が適切なブランド戦略を実施するうえで、ブランド・カテゴライゼーションは有力な枠組みの一つになっている。